僕が高校3年の夏のことだ。僕の専門種目のやり投げのに出られる選手は各校2人までだった。その枠を争ってベストの記録が僕より上だった僕の同級生と後輩が出場することなった。その後輩は近畿大会に出場することも充分狙える実力があったし、何より先輩後輩というよりかは親友のような関係だったので悔しい気持ちもあったが、応援したい気持ちのほうが強かった。


そして試合当日、後輩は怪我を隠したまま試合に出たことにより散々な結果だった。


「ありゅう先輩の枠を奪ってしまったのに近畿行けなくてすみませんでした...」


普段は生意気でふざけてばかりの後輩がそんなことをいうなんてと衝撃を受けた。

その時、押さえ込めていた本当は自分も出場したかった悔しさと怪我の痛みよりも僕との義理を優先したことへの感動が入り混じり涙が出そうになったが、精一杯堪えながら笑って


「お疲れ、そんなもん気にすんな」

と言った。

その後、怪我を隠したまま試合を棄権しなかったことを叱った。


後輩の受験が終わったらまた遊びに行きたいと思う。